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コンサート・プログラム

鷹羽弘晃ピアノソロと室内楽・全曲初演の夕べ
         〜2003年5月14日・東京文化会館小ホール(午後7時開演)

岩下 周二 ピアノのためのソナタ 第2番
福田 恵子 <Reflection 2>ピアノと8つのトムトムのために
日下部満三 独奏ピアノのための<カンツォーネ ダ ソナーレ>
鷹羽 弘晃 Changez de jeu !
大家 百子 トイピアノのための<指の記憶>
深澤  舞 『零度の幻夜』
三瀬 和朗 L'ETOILE DU FIRMAMENT GELE

― 曲目解説 ―

ピアノのためのソナタ 第2番・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・岩下 周二
ピアノという表現力豊かな楽器のために、それを巧みに操ってくれるであろう我が友・鷹羽弘晃君のために、
とあるSonare(鳴らす・奏でる)のあり方を単一楽章のソナタ形式のもとにもう一度考えてみた。
だから「ソナタ第2番」である。(なお「第1番」は1998年から2000年にかけて熊本で発表した3楽章の曲。)
…これが完成した3月20日、イラクで戦争開始。主共ぁ(ぬしどまぁ)、「鳴らす」物(もん)ば違えちゃおらんかい?…

<Reflection 2>ピアノと8つのトムトムのために・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・福田 恵子
題名「Reflection」(反射、反映等の意)が示すとおり、アンサンブルを書きたかった。別次元で、以前より
心惹かれているにもかかわらず、室内楽としては書いた事のなかった膜質打楽器の曲を是非書いてみたかった。
今回それらのことから、ピアノとトムトムの組合せを当然のように決めてしまった。
トムトムのソロから始まるこの曲では、ピアノという楽器の持つ多様性の中から歌心と打楽器的要素に光を当てる
ことにより、双方の楽器の融合を図ってみた。

独奏ピアノのための<カンツォーネ ダ ソナーレ>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・日下部満三
題名は器楽のための<演奏される歌>の意味。自由な広がりのある題名として選んだ。
1曲目 ゆるやかで暗示的な出だしから、即興的なモチーフの展開によってある瞬間的な緊張感が表現される。
2曲目 親しみやすさと深さを表現したかったのだが、ロマンティックな中での現代的な不安定感覚を表現。
3曲目(副題<束の間の歌>)急速なテンポの中であっという間に過ぎ去ってしまう、けれども印象的な歌
(メロディー)を意図した。ソナタ形式。

Changez de jeu!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・鷹羽 弘晃
今世紀の初めに焼きついた未曾有の惨事
その解決のために戦争をしたのか
いつか必ず我々にやってくる代償
Changez de jeu(…を変えろ)! 誦文する

トイピアノのための<指の記憶>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大家 百子
昨年紀尾井ホールで、J.ケージの<トイピアノのための組曲>を聴いた。その時使用された楽器は、おそらく
ケージの意図とは多少違い、トイピアノといってイメージする卓上用の小型のものではなく、かなり大きな
アップライト型。響きもチンチンというオモチャの音ではなく、不思議な倍音に包まれた光沢のあるもので、
これが私の耳にはなぜか懐かしく心地よく、ついにこのトイピアノの出所を突き止め、倉庫に出向いて試弾をし、
一気呵成に本日の作品を書き上げることになった。赤い小さなトイピアノを弾いていた頃の心に思いを馳せ、
指の記憶を辿りつつ…。
鷹羽さんにはもちろんのこと、遊び心いっぱいに共演してくれるパフォーマー杉山佳寿子さんと、楽器を快く
貸してくださった橋本ピアノに、感謝いたします。

『零度の幻夜』・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・深澤  舞
『起こしちゃいけない。あなたみたいに、僕も眠りたい。』
記憶を辿る旅は、記憶をなくしていく旅となっていきました。
もう誰も、こわい夢を見ることがありませんように。優しい夢から覚めませんように…
鏡に映る30の扉。射し込む光の、透明な痛みを知る鷹羽さんに、すべての鍵をお預けしました。
『それとも僕達は、だれにも夢見られていないたったひとつの夢なのか?』

L'ETOILE DU FIRMAMENT GELE・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・三瀬 和朗
今日のコンサートを企画するにあたり、鷹羽さんには是非アンサンブルをやって欲しかった。今回は自分にとって
興味のある4つの楽器を選択した。フルートは透明度のある表現、ヴァイオリンとチェロは音色の可能性の追求、
そして初めて室内楽に採り入れるヴィブラフォーンは(他にグロッケンシュピール、りん、風鐸、雲版、鰐口、を
使用)ピアノと対峙する音の色づけとして、それぞれの役目を果たしている。
“凍天の星”のイメージでタイトルをつけた。北の空の凍りつく寒さの中の、星の煌きの音を探した。
五人それぞれの響が星の一片として輝くように。

【出演者】
鷹羽弘晃(ピアノ・作曲)
1979年生まれ。桐朋女子高等学校音楽科(共学)作曲専攻を経て、2001年桐朋学園大学作曲理論学科卒業。
NTTドコモ奨学金を受ける。
同大学研究科作曲専攻修了。現在、桐朋女子高等学校音楽科教諭。桐朋学園大学非常勤講師。
1999年第9回日本室内楽コンクール第1位(ヴィオラとの共演)。2000年4月受賞記念リサイタルを行う。
これまで多くのコンクール受賞者を伴奏で支えている他、JTアートホール・アフタヌーンコンサート出演
など、室内楽演奏も多数。
作曲では、1999年第68回日本音楽コンクール作曲部門入選。2002年1月一柳慧プロデュースコンサートにて
〈Hypothesis for 6 instruments〉を初演、また同演奏会では一柳作品の初演にも携わった。
主な作品に。現代劇音楽〈月魂沈海〉(藤原大巌作演出)、〈H20 pour piano solo〉(2002年ヴェネツィア・
ビエンナーレ委嘱)、女声とピアノのための〈ことのはひらひら〉(「新しいうたを創る会」委嘱)などがある。
指揮活動では、同窓生を中心に「オーケストラ・マニア」を結成。2001年3月卒業記念公演を行う。
2002年7月クセナキス作〈エオンタ〉(ピアノ大井浩明氏)を指揮するなど現代作品の演奏も多い。
作曲とピアノを三瀬和朗、作曲を権代敦彦、ピアノを竹内立子、ローラン・テシュネ、藤井一興、
指揮を小泉ひろし、秋山和慶の各氏に師事。


【賛助出演】
加藤訓子(打楽器:鷹羽弘晃ピアノコンサート第2・7曲に出演)
桐朋学園大学、同大学研究科修了。第7回日本管打楽器コンクール第2位、第1回リー・ハワード・スティーブンス国際マリンバ
コンクール第2位。
96年ダルムシュタット国際現代音楽夏期講習会でクラニヒシュタイン賞を受賞。2002年豊橋文化賞特別奨励賞受賞。
現在、日本・ヨーロッパ・アメリカで活躍中。

杉山佳寿子
(Musical Toys:鷹羽弘晃ピアノコンサート第5曲に出演)
2001年神奈川国際トリエンナーレ2001ギャラリーにて行われた「Percussion Now・シデロイホス」にパフォーマーとして出演。
2002年一柳慧プロデューサーコンサートに出品。第13回奏楽堂歌曲コンクール作曲部門3位入賞。
現在、桐朋学園大学研究科1年在籍中。作曲・パフォーマンスの両面で活動している。

難波薫
(フルート:鷹羽弘晃ピアノコンサート第7曲に出演)
桐朋女子高等学校音楽科から桐朋学園大学を経て、同大学研究科修了。日本フルートコンベンションコンクール第2位。
日本木管コンクール第1位など、多数入賞。
桐朋学園オーケストラ・関西フィルハーモニー管弦楽団と共演。読売新人演奏会、小澤征爾オペラプロジェクト倉敷音楽祭、
水戸室内定期演奏会などに出演。

長原幸太
(ヴァイオリン:鷹羽弘晃ピアノコンサート第7曲に出演)
92年、93年と連続して全日本学生音楽コンクール全国大会第1位、'94年第6回ヴィニエアフスキ国際ヴァイオリンコンクール
17歳以下の部第3位。
'98年日本音楽コンクール優勝。ソリストとして、小澤征爾、岩城宏之等と共演。東京芸術大学の福島賞等多数受賞。
現在、東京芸術大学音楽学部器楽科在学中。

宮坂拡志
(チェロ:鷹羽弘晃ピアノコンサート第7曲に出演)
5歳よりチェロを始める。'99年サイトウキネン若い人の為の勉強会に参加。小澤征爾音楽塾フィガロの結婚、コジ・ファン・
トゥッテに出演。
小澤征爾、ロストロポービッチのキャラバンに参加。桐朋女子高等学校音楽科を経て桐朋学園大学4年在学中。木越洋、堤剛の各氏に師事。学内の作品初演に多数参加している。

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