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コンサート・プログラム

神谷百子マリンバリサイタル
           〜2001年12月2日・代官山ヒルサイドプラザ(午後2時開演)

小田百合子 Prelude pour Marimba Solo
橋本  忠 鳥の肖像−マリンバのために−
大家 百子 刻(とき)の形 No.2−ファゴット、マリンバ、コントラバスのために−
日下部満三 マリンバのための3つのバガテル
木原 福子 Solitario−マリンバのために−
末吉 保雄 ソロマリンバのための“ロンデル”(ソロNo.2)

― 曲目解説 ―

Prelude pour Marimba Solo・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小田百合子
この曲は、外からのインスピレーションによって書かれたものではなく、私の中にあった「漠然としたもの」を書いていったのである。
「漠然とした何か」は、時間を経て一人歩きし始める.....
マリンバという 「木」でできた暖かみのある楽器によって、また、素晴らしい演奏家である神谷百子さんによって、受け手のいる空間に放たれることを 心より感謝しています。

鳥の肖像−マリンバのために−・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・橋本  忠
神谷さんの素晴らしい表現力に魅了され、作曲しました。確かなテクニックに裏打ちされたその内面表現の豊かさに深い感銘を受け、私のイメージは広がったと思います。そして、それらは3つの小品になりました。
題名の「鳥の肖像」は、ジャック・プレヴェールの詩「鳥の肖像を描くために」に由来しますが、プレヴェールにとって鳥が自由の象徴であったように、私には、鳥が神秘的なるものの象徴のように感じられ、名付けました。

刻(とき)の形 No.2−ファゴット・マリンバ・コントラバスのために−・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大家 百子
子どもが画用紙の上で、あれやこれやとクレヨンをまぜあわせて色作りを楽しむように、今回は、わたしのお気に入りの音色ばかりを3つ集め、刻(とき)の形をモザイクのように編んでみました。素材はあくまでも素朴に、編みこみ模様は少々精緻にとこころがけての創作でした。7〜8分の刻(とき)が、あの窓、この窓をちらちらと眺めながらの日曜日の散歩のように愉しいものであればと願っています。

【演奏者】
神谷百子(マリンバ)
1995
年第3回ルクセンブルグ国際打楽器コンクール・ソロ・マリンバ部門第一位受賞。
幼稚舎から高校まで慶応義塾で学んだ後、東京芸術大学器楽科にマリンバ受験者として、開校以来初の合格者となる。
同校を経てジュリアード音楽院を卒業。在学中、名誉奨学生ジュリアードアソシエイション各賞を受賞する。

1990
年に、サントリーホールでデビューリサイタルを開催以来、6回の自主リサイタルを含む各地での公演はいずれも高く
評価されている。古典から委嘱作品を含む現代音楽まで、幅広いレパートリーを持ち、見事なリズム感と抜群の音楽性で、
ソロを
中心にマリンバの多彩な魅力を充分に聴かせる。
これまでに、読響、名フィル、新日フィル、東京都響、ルクセンブルグ放送響他のオーケストラ、ブラスバンドと共演。

2000
年、ポーランド、ベルギーにてリサイタル、コンクール審査員などに招待され、本年8月にも第1回ベルギー国際
マリンバコンクールの審査員として渡欧。
2002年には中国、ポーランド、メキシコなどでの公演も予定されており、海外
にもその活躍の場を
広げている。
96
年よりフィリップスからCD「マリンバ・カクテル」「アラベスク」「マリンバ・ジャパネスク」「エイジアン・シーン」をリリース。
その他、ソロ演奏は、一柳 慧作品集「風の軌跡」
(フォンテック)、新実徳英作品集「風のかたち」(カメラータ)をはじめ、
多くの
CDに収録されている。また、1年間にわたりNHK-FM「おしゃべりクラシック」のパーソナリティーをつとめるなど、
メディアにも多数出演。

現在、洗足学園大学、沖縄県立芸術大学、愛知県立芸術大学、平成音楽大学で講師を
勤める。

【賛助出演】
塚原里江(ファゴット)
東京芸術大学および同大学院修了。ファゴットを岡崎耕治、中川良平、レオナルド・シャロー、ハロルド・ゴルツァー、室内楽を中川良平の各氏に師事。
埼玉県立伊奈学園総合高等学校在学中、日本管打楽器フェスティバル関東大会高校生の部ソロ部門銀賞受賞。大学在学中「モーニング・コンサート」に出演し、佐藤功太郎指揮・芸大オーケストラと
A.ジョリベの協奏曲を共演。1998年に開催した初のリサイタルでは、シュトックハウゼン等4曲の世界初演・日本初演を含む意欲的なプログラミングと、的確かつ鋭敏な表現力により好評を博した。現在フリーの演奏家としてオーケストラ、アンサンブル等様々な演奏会に出演する傍ら、ISCM演奏会(日本作曲家協議会)や日本の作曲家の個展に出演するなど、現代音楽の奏者としても欠かせない存在である。
埼玉新演奏家連盟理事および東京チェムバーウィンズ団員。
笠原勝二(コントラバス)
1956年横浜市に生まれる。神奈川県立横浜平沼高校オーケストラでコントラバスを始め、広瀬康英氏より手ほどきを受ける。1975年東京芸術大学器楽科に入学。故江口朝彦氏に師事。F.ポシュタ氏らより教えを受ける。
1978年大学4年在籍中、東京交響楽団に入団。卒業後首席奏者となり現在に至る。
オーケストラ活動のほか、リサイタル、協奏曲等のソリストとして各地より招かれるなど、独奏・室内楽
の分野に於いても幅広く活躍している。
また、ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者でもある桜井茂氏のもとで古楽奏法の研鑚を積み、コレギウム・アル
ジェントゥムほか多くのオリジナル楽器によるコンサートに出演している。
自ら音楽監督を務める横浜室内管弦楽団では
20年にわたり指揮者並びにソリストとして出演、好評を得ている。

愛知県立芸術大学にて、後進の指導にあたっている。

マリンバのための3つのバガテル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・日下部満三
2000年秋作曲。4,5年前にBBC制作のアフリカ音楽の特集番組があり、興味を惹かれビデオにとって何回か鑑賞した。開放的で力強い越えやリズム感が印象的で、これがきっかけになり3つの小品にまとめてみた。形式的には古典の舞曲あるいは前奏曲のように単一のモティーフの提示と発展からなり、内容的には明るくリズミカルな要素が多いが、聴き終わった人に何かしらアフリカ的な味わいや、おいしい前菜を食べた後のような食後感があれば幸いです。使用音域は通常の4オクターヴ。

Solitario−マリンバのために−・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・木原 福子
2001年の夏から秋にかけて作曲しました。
神谷百子さんの卓越したテクニックと清廉で豊かな音色を念頭に置き、マリンバという楽器の持つ様々な表情、音色のグラデーションを楽しみながら、少しずつ私の音を重ねていきました。
書き進むうち、孤独な、独りの…というイメージがふくらんで、「Solitario」という題名につながりました。

ソロマリンバのための“ロンデル”・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・末吉 保雄
“ロンデル(Rondel)”は、15世紀に多く作られたロンドの古い詩形で、14行から成る。音楽形式的には、この曲は、ロンドとソナタを両立させている。循環する主題の扱いも、転調の経緯も、それをはっきりと示してはいるが、いわゆる古典派の前例を継ぐつもりはなかった。むしろ、きちんと構成を整えながらも、伸びやかに、ときに奔放に謳う中世の詩人たちへの親近感を意識していた。曲が14の部分から成るのは、それへの敬意のしるしで、それ以上の意味はない。
神谷百子さんには、以前、旧作“ミラージュ”(1971)の素晴らしい演奏を聞かせて頂いた。卓越した技術や知性と感性の豊かさを言うに及ばず、きわめて多方向への発展性の持ち主であるとの印象を持った。華やかな現在の活躍の様子はここに記すまでもないだろう。いずれ新作を献呈したいと願ってきたが、当然、まったく別な曲風を得なければならないと考えて、ここに至った。作曲者のマリンバへの愛着は久しい。またひとつ、新しい展開を開くきっかけともなればと願い、無理強いと知りながら欲張った曲づくりをしてしまった。にも拘らず、神谷さんは懸命な取組みで応えてくださっている。敬意と感謝をあらわす言葉もない。

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