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コンサート・プログラム

エクセルシオ弦楽四重奏団新作コンサートvol.1
       〜1999年1月12日・調布市文化会館たづくり・くすのきホール(午後7時開演)

橋本  忠 《Deux Epigraphes》 pour quatuor a cordes(1994)
平部やよい 『地平線の碧』(初演)
小崎 光洋 弦楽四重奏曲1b(改訂初演)
大家 百子 『樹々の声 II』(初演)
佐藤公一郎 『西風の見たもの』(初演)

― 曲目解説 ―

《Deux Epigraphes》 pour quatuor a cordes・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・橋本   忠
 曲は2つに分れた短い詩である。1曲目は、エネルギッシュな部分と静かな部分を対比させながら進み、
最後は、一陣の風に吹き飛ばされて木の葉が天高く舞い上がるように掻き消える。
2曲目は、静かな水面を思わせる静寂の中から、立ち上るように現れる物憂いヴィオラのレシタティーボで
始まる。4つの楽器が互いに呼応しながら、あるいは一つになり、アンダンテのコーダを経て静寂の中へ
消えていく。

『地平線の碧』・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・平部やよい
 Kandinskyの"Horizontal Blue≠ニいう作品にインスピレーションを受け、主情的と科学的との二面性の
中での静かな葛藤により、一時、「碧」に固執した心の内面を、響で表したく、この作品を書きました。

弦楽四重奏曲1b・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小崎 光洋
 東京ベートーベンカルテットのために作曲された弦楽四重奏曲「協唱」に手を入れたもの。
私の室内楽作品としてはめずらしくきちんとした四分の四拍子で書かれ、小節線が用いられている。
特殊奏法を用いず、音域も弦楽器としては狭い音域で書かれているのは「協唱」というタイトルに盛られた
当時の私のこだわりからくるものである。できる限り単純で、かつ「うた」に近い音楽をつくろうとしていた。
 3つの部分がattaccaで結ばれ、また、テーマも不可分に結びついている。冒頭で歌われるヴィオラの
歌が発想の中心にあり、又、そこへ還っていく。

『樹々の声 II』(1998)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大家 百子
 1996年のマリンバのための『樹々の声 I』、1997年のハープのための『アルカイック・ダンス』に続き、
舞台上の演奏者と開場との、小さな打楽器を用いての音の交感を試みる。数人の協演者(共演の文字を
充てるほどの働きをするものではない、という意味での“協”…)が客席に配置され、かすかな鐘の音で
弦の響きに呼応する。
『樹々の声』の名称は、この呼応の方法がマリンバのための作品と同じところに由来している。

『西風の見たもの』・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・佐藤公一郎
 西風は何を見て来たのだろう。シルクロードの香りか、はたまたヨーロッパの文化か。
それとも西方浄土からの風なのか。
 昨年(1998)年の5月に、私の大親友であり大先輩でありそして大先生だった平吉毅州氏が逝ってしまった。
氏への追悼の意味で昨年この曲を書いた。
 今迄、弦楽四重奏という編成になかなか手を出せなかったのだが、風のような歌を表現しつつも古典的な
スタイルやソノリティーをもう一歩深める事ができればと思いつつ一気に書き上げた。全曲に渡って
「Re」(再びの意を含め)に支えられ、最終コラールまでのこの作品が、今日この会場にどのような風を
吹かせてくれるのだろうか。とても楽しみである。


【演奏者】
エクセルシオ弦楽四重奏団(Quartet Excelsior)
 ヴァイオリンの西野ゆか、遠藤香奈子、ヴィオラの吉田有紀子、チェロの大友肇、ともに、桐朋女子高等学校
音楽科(共学)から桐朋学園大学音楽学部に進み、卒業後同大学研究科を修了した。同窓四人によるこの弦楽
四重奏団は、彼らの学部在学中、1992年に結成された。意欲的な取組が早くから高く評価され、1994年には、
同大学の推薦により奨学金を得て[Internationale Sommer Akademie In Prag. Wien, Budapest]の室内楽
マスターコースに参加し、バルトーク・クァルテットに師事した。
 1995年にはヒンデミット生誕100年記念演奏会プレコンサートに出演するなどの演奏経験を重ね、1996年3月
「第1回東京室内楽コンクール」で第1位、同年5月「第2回大阪国際室内楽コンクール」では第2位を受賞した。
おなじ年の5月、京都「青山音楽記念館」で、また、1997年4月に東京「カザルスホール」でリサイタルを開催した。
1999年1月には「OTOの会・新作コンサートシリーズNo.1」において、同会作曲家メンバー5人の作品の初演と
ハイドンの「弦楽四重奏曲『五度』」を演奏した。
 なお、西野はヴァイオリンを梅津南美子、鷲見健彰、遠藤は鷲見健彰、原田幸一郎、吉田は天満敦子、鷲見健彰、
ヴィオラを岡田伸夫、大友はチェロを井上頼豊、津田朝子、勝田聡一の各氏に師事した。

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